長くお使いいただくために
iConを長くお使いいただくために次のヒントを参考にしてください。
搬送時はぶつけたり落としたりしないように丁寧にお取り扱いください。
「オートクレーブの予熱を10分~15分に」
・滅菌時に発生するドレインを抑え、iConの耐久性を向上させるためにとても有効です。また乾燥状態にもいい影響があります。
「セットする総重量は7.2Kgまで」
・滅菌保証のガイドライン2015に準拠し、バスケットを含む手術器械セット重量が7.2Kgまでを目安にしてください。
「機械洗浄後の乾燥は低温・短時間で」
・長時間の乾燥は製品寿命の低下に影響する可能性があります。乾燥プログラムは90℃×15分程度を目安にしてください。
「オートクレーブとプラズマ滅菌を併用しないで」
・併用は製品寿命の低下に影響する可能性があります。一つのコンテナーは、なるべくひとつの滅菌方法でお使いください。
「3M製オートクレーブ用滅菌テープは貼付しないで」
・プラスチックにキラキラのキズが発生するので貼付しないでください。他社製滅菌テープは問題ありません。
「滅菌時は積み重ねないで」
・滅菌時の積み重ねは製品寿命の低下に影響する可能性があります。保管時の積み重ねは問題ありません。
「乾燥シートは使わないで」
・コンテナー底面に使用するとフィルターを塞ぐ可能性があります。また乾燥状態が悪化する可能性もあります。
・払出しの際はコンテナーシールで開封されていないことを確認してください。
・保管の際は積み重ね可能ですが、あまり積み重ねすぎると不安定になりますので注意してください。
・室温保存とし、できるだけ紫外線の少ない場所で保管してください。
取扱上のご注意
滅菌
保管
供給
組立
回収
洗浄
展開
・誤開封防止用コンテナーシールの日付を確認し、先入先出を行います。
・決してフタを持ち上げたりせず、ハンドルもしくはアングルをしっかり持ち丁寧に搬送してください。
・iConは乾燥した水平な安定した場所に置き、突起物等で本体底のフィルターを破損しないよう注意してください。
取扱上のご注意
滅菌
保管
供給
組立
回収
洗浄
展開
・両手でiConフタのロックを引き上げ、水平に持ち上げて開封してください。片側だけ持ち上げると変形の恐れがあります。
・確実に無菌提供できるようにバスケットのハンドルを持ち上げてコンテナーから取り出します。
・展開時もコンテナーの目視点検を行い、密封性が損なわれている可能性のある場合は使用しないでください。
滅菌
保管
供給
取扱上のご注意
組立
回収
洗浄
展開
・滅菌コンテナーは柔らかいスポンジ等で用手洗浄してください。強くこすらないようにしてください。
・アルコールでの清拭、ウォッシャディスインフェクタでの洗浄、ベンジンの使用が可能です。
・長時間の乾燥は製品寿命の低下に影響する可能性がありますので、乾燥プログラムは90℃×15分程度を目安にしてください。
・プラスチックやパッキン部分等に製造時の微細な異物や気泡が見られる場合がありますが問題ありません。
滅菌
保管
供給
取扱上のご注意
組立
回収
洗浄
展開
洗浄について
用手洗浄の場合
・日常的には、水を浸した柔らかいスポンジ等で強くこすらないように洗浄してください。
・特にシリコン塗布部分(フタのパッキン)はこすらないでください。
・硬いブラシや研磨剤は使用しないでください。
・「環境クロス」等の第4級アンモニウム塩を含む洗浄剤は使用しないでください。
・洗浄剤を用いた場合は流水で十分すすぎ、リントフリーの布等で水分を取り除いて乾燥させてください。
・消毒用アルコールでの清拭も可能です。
機械洗浄の場合
・中性またはアルカリ性洗浄剤で洗浄し、十分にすすいでください。
・長時間の乾燥は製品寿命の低下に影響する可能性がありますので、
乾燥プログラムは90℃×15分程度を目安にしてください。
・乾燥後に水分が残る場合は、リントフリーの布等で取り除いてください。
・最終すすぎ工程で、潤滑防錆剤は使用しないでください。
・洗浄を繰り返すとロックがかたくなる場合があります。
その場合は写真の→部分に微量の潤滑剤を塗布してください。
汚れのひどい場合(ラベルシール等)
・ベンジンを馴染ませるように少し時間をおき、強くこすらないように注意してスポンジ等で汚れを落としてください。
・シールは事前に剥がしておき、糊残りだけをベンジンで除去するようにしてください。
・作業後は流水で十分にすすいでください。
薬品名
× 第四級アンモニウム塩
○ 消毒用アルコール
○ アルカリ性洗剤
○ ベンジン
・「主な点検項目」に従い損傷がないか必ず目視点検を行い、密封性が損なわれている可能性のある場合は使用しないでください。
●フタや本体(ひび割れ等がないか)●フィルター(穴あきはないか)●パッキン(切り裂けていないか)
・滅菌保証のガイドライン2015に準拠し、バスケットを含む手術器械セット重量が7.2Kgまでを目安にしてください。
・フィルターを塞ぐ可能性があるので、iCon内で乾燥シートのような不織布は使用しないでください。
・コンテナー内部(フタ内側の「見えるインジケーター」オプション)にタイプ4以上のケミカルインジケーターを入れます。
・フタをする際はパチンと音がするまで確実にロックしてください。
・コンテナー外部(ロック部分)には誤開封防止用のコンテナーシールを取り付け、滅菌日、担当名等を記入します。
・コンテナーのセット表示と実際のセット内容が一致していることを確認しましょう。
滅菌
保管
供給
取扱上のご注意
組立
回収
洗浄
展開
ロック・ステンレスパーツ
・変形はないか
リベット
・プラスチック割れはないか
(キズではなく貫通する割れ)
パッキン
・切り裂けていないか
(軽微なひびは問題ありません)
ハンドル・ステンレスパーツ
・変形はないか
リベット
・緩み・プラスチック割れはないか
(キズではなく貫通する割れ)
コーナー付近
・プラスチック割れはないか
(キズではなく貫通する割れ)
フィルター
・穴あきはないか
(軽微なしわは問題ありません)
主な点検項目
上記以外にも異常がないか目視点検をお願いします。密閉性はフタをロックして「パチン」という音がすることで確認してください。
安全のため弊社以外での修理は行わないでください。
主な点検項目
割れについては、これまでの事例から、リベット付近や本体底コーナー部分等に発生しやすい傾向にあります。
割れている場合、密閉性が損なわれている可能性が高いため、ご使用を中止してください。
軽微な割れであれば、1週間程度の納期で、補修パーツ追加による修理が可能です。
ただし、長年のご使用により耐久性が低下していると思われますので、更新をお勧めします。
フィルターは鋭利な器械で突き刺すと穴が開いてしまいます。抵抗性があるので確実に目視確認できるサイズの穴になります。
フタの内部にインジケーターを差し込めるので、滅菌器から取り出してすぐにフタを開けなくても滅菌確認できます。
外部インジケーターのように「滅菌工程を通過したかどうか」ではなく
内部インジケーターで「確実に滅菌できているかどうか」を確認することができます。
フィルターから最も離れた最も滅菌しにくい位置にあるので、滅菌有効性の確認に適しています。
3M社製インジケータ(1243)(1250)の場合、汚れがフタに付着します。
他社のインジケータについては下表の通り、問題のないことを確認しています。
オートクレーブ用インジケーター
汚れ 3M
化学的インテグレータ(1243)
汚れ 3M
化学的インジケータストリップ(1250)
○アルフレッサファーマ
ネスコスICカードS
○アルフレッサファーマ
ネスコスIC ICSスチーム
○サクラ精機
ブラウンMVIインジケータ(2551)
○名優
タイプ5インジケータ(gke211-226)
○ホギ
メッキンカード(AC-1S)
○日油技研
ケミカルインジケータ(S(S)-121-20 AC-03P)
見えるインジケーター(オプション)について
ロックについて
1.フタ側の突起部分を本体側のスリットにはめ込むようにします。ロックの位置あわせにもなりますので、ここがきちんとはまらないとロックはできません。(ミニサイズにスリットはありません。)
2.手のひらを金具部分に乗せ、本体側に押し下げます。(プラスチック部分ではなく金具部分を押すのがコツです。)密閉性を高めるためフタのたわみを利用していますので、下へ押し下げることを意識してください。十分に押し下げた状態で、ロック可動部を内側に軽く押すとパチンとはまります。ミニサイズは高さが低くロックの形状も異なりますので、手のひらでフタと本体を一緒に持ち上げ、握り込むようにしてロックしてください。
新品は少しロックがかたく感じられますが数回滅菌すると馴染んでロックしやすくなります。
開封する際は両手でロックを引き上げ、水平にフタを持ち上げてください。
・iConはオートクレーブ(パルス式プレバキュームプログラム)、EOG、プラズマ滅菌に対応しています。
・オートクレーブの予熱時間(10~15分程度)乾燥時間(30~45分程度)を適切に設定してください。
・iConの上に、他の被滅菌物を積み重ねた状態で滅菌しないでください。
・iConのラック上段の被滅菌物はなるべくドレインの出にくいものにしてください。
・EOG滅菌後は、滅菌バッグと同等の条件で十分にエアレーションを行ってください。
・破損しますので、回収用iConをフタをした状態で絶対に滅菌しないでください。
・3M社製オートクレーブ用滅菌テープは貼付しないでください。
滅菌
保管
供給
取扱上のご注意
組立
回収
洗浄
展開
3M製オートクレーブ用滅菌テープについて
3M製滅菌テープ(3Mコンプライ高圧蒸気滅菌用化学的インジケータテープ)をiConにすると、プラスチック部分に細かな無数のキラキラが発生します。
また上段の被滅菌物に貼付した上記テープの有害成分を含んだドレインがiConに滴下すると同様の状態になることがあります。
このような場合は十分に洗浄し糊残り汚れを除去してください。汚れが除去されていれば状態の進行を抑えることができます。
このような症状の発生を確認しているのは3M製滅菌テープだけです。
他社の滅菌テープについては下表の通り、問題のないことを確認しています。
オートクレーブ用滅菌テープ
キラキラ発生
3M:高圧蒸気滅菌用 化学的インジケータテープ
○ アルフレッサファーマ:ネスコスICテープS
○ サクラ精機:ブラウン インジケータテープ
○ キヤノンライフケアソリューションズ
:オートクレーブテープ
○ ホギ:インジケータテープ(OK)
○ 日油技研:オートクレーブ用滅菌テープ(AC)
iConのフタに貼付した3M製滅菌テープを3回滅菌後
貼付したままのところ(上)と、はがしたところ(下)