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LTSF滅菌での滅菌コンテナー使用について

参考文献:「手術医療の実践ガイドライン(改訂三版)」日本手術医学会誌 2019

 

LTSF(低温蒸気ホルムアルデヒド)滅菌に関する上記資料を抜粋してご紹介します。

第8章 洗浄、消毒、滅菌

III滅菌
F. 非耐熱性の高価な器材で頻回使用が求められる場合には、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌や過酸化水素ガス低温滅菌または低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌が適している

(解説 抜粋)

ホルムアルデヒド滅菌は欧州では50年以上も前より使用されてきた滅菌法で、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌では機械的制御として圧力、温度、時間をモニターし、予備加熱、空気除去、プレコンディショニング後に滅菌工程を行い、その後にRO水の蒸気パルスとエアパルスによる脱離を行う。OH基による蛋白質の凝固と核酸のメチル化によって滅菌される。対象器具は基本的にEOG滅菌と同じで、包装材としては不織布が推奨されている。滅菌コンテナの使用は確定されていない。ホルムアルデヒドは国際がん研究機関が発がん性があると認定しており、EOGと同様に特定化学物質障害予防規則に含まれている。

滅菌コンテナーiConも対応していません

​・LTSF滅菌器メーカーでのテストにより、​滅菌コンテナーiConの滅菌有効性は確認していますが、滅菌剤の残留が懸念されるので、LTSF滅菌には対応していません。

・他社製滅菌コンテナーも同様に、上記の通りLTSF滅菌には、滅菌コンテナーの使用は確定されていません。

 

​LTSF滅菌では、下記ガイドラインに基づき、各病院様において記載項目を検証した上で使用の可否を検討してください。

参考文献:「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021」日本医療機器学会

 

包装材メーカおよびRMDメーカの取説に基づき、RMDの包装方法を設定する

(解説)

LTSF減菌では滅菌バッグの使用を推奨しているため、滅菌バッグを第一選択として選定をおこなう。RMDの大きさに見合うサイズの滅菌バッグがない場合には、ラップ材を選定する。

滅菌コンテナの使用に関しては、数例の研究報告がなされているが、現状LTSF減菌用のものは販売されていないことから、使用する予定の滅菌コンテナにおいて以下の項目を検証した上で使用の可否を検討する。

(1)滅菌コンテナに収容するRMDの残留性

(2)滅菌コンテナ内の残留空間濃度

(3)滅菌コンテナに収容するRMDの滅菌性

(4)滅菌器の最大積載量に対する滅菌コンテナの数量の妥当性

(5) 滅菌剤の消費量

特に金属製の滅菌コンテナにおいては、滅菌剤を大量に消費(減菌コンテナ自体に凝縮)することから、滅菌器が滅菌剤不足などのエラーを検出する可能性があるため、滅菌器メーカにサポートを依頼し、積載数量の設定をおこなった上で検証をおこなう必要がある。

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