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タイピング

技術情報

ポリフェニルサルフォン(PPSU)

ポリフェニルサルフォンは、滅菌が繰り返される厳しい環境に耐えることができます。しかも優れた強靱性や耐衝撃性、耐薬品性を備えたスペシャルティポリマーです。



透明でクリアな視界

クリアな視界を得られる、琥珀色で透明なポリフェニルサルフォン。ポリマーが溶融時に結晶化しようとする傾向をスルホニル基の立体化学構造が阻害するため、このポリマーは非晶性を保ち、高い清澄性と透明性を示します。透明な素材というのも、金属とは異なるポリマーならではの特徴です。iConのフタには透明なポリフェニルサルフォンを採用し、滅菌後でも内部を確認できるようにしました。iConの本体には白色のポリフェニルサルフォンを採用し、内部の光反射率を高めることで、さらに内部が見えやすくなっています。しかもiConのフタにはフィルターがないので、全面的に見ることができ、視認性に優れます。


 

比重はアルミニウムの半分以下
 

セット組する器械の量が多いとそれだけでとても重くなります。だからそれらの器械を収容するコンテナーは少しでも軽くしたいもの。iConはフ夕だけではなく、本体もポリフェニルサルフォンというスペシャルティポリマーなので、とても軽量。ポリフェニルサルフォンは、アルミニウムの半分以下の比重です。
滅菌コンテナーiCon にはステンレスパーツ等が取り付けられますから、さすがに半分にはなりませんが、例えば他社製アルミニウム滅菌コンテナー(ミドルサイズ)に比べて、滅菌コンテナーiConは約30%軽量化されています。

アルミニウムの比重

2.7

ポリフェニルサルフォンの比重

1.3

卓越した強靱性

プラスチックなのに蒸気滅菌に耐えられるの?と思われるかもしれません。でもポリフェニルサルフォンならそれが可能です。繰り返し滅菌される厳しい環境条件やより優れた強靱性が必要な環境などに、ポリフェニルサルフォンは非常に適しています。プラスチックメーカーにおいて、オートクレーブ特性を評価するため、片持ち梁を用いた構成で試験編を引っ張ることにより6.9MPaの外部応力を負荷して、成形による応力の模擬試験を行いました。オートクレーブの蒸気圧を2bar、温度132℃で試験を行いました。この蒸気には濃度50ppmのモルホリンが含まれています。使用した試験片のサイズは127×13×3mmです。評価の結果は右の通りです。

衝撃強度も、他のプラスチックを寄せ付けない卓越した強靱性を有しています。ノッチ付きアイゾット衝撃強度に関するテストからも明らかなように、ポリエーテルイミド(PEl)に対して、ポリフェニルサルフォンは約13倍の690J/mの衝撃強度を誇ります。



 

耐スチームオートクレーブ性
​破断が発生するまでのサイクル数

ポリフェニルサルフォン

>1,000*

ポリサルフォン

150

*1,000サイクルで試験終了、クレージングや破断は発生せず。

耐化学薬品性

 

ポリフェニルサルフォンは酸やアルカリはもちろん、有機化合物に対しても非常に良好な耐薬品性を示します。そのためiConをウォッシャディスインフェクターで洗浄する際にも、アルカリ洗剤をお使いいただけます。中性洗剤でないと腐食してしまうというような心配はいりません。また、次亜塩素酸ナトリウムで器械を浸漬する際にも、回収コンテナーiConをご使用いただけます。滅菌コンテナーiConの日常的なお手入れに、アルコール清拭していただくことも可能です。

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